ベル・キャリアファーストナビ|【静岡で働く上で確認したい仕事の種類】貿易業務の基礎知識

清水港と御前崎港は全国的に見ても輸出入量が多く、日本における貿易の要ともいえる港です。
ところで、貿易の仕事がどのように行われているのかご存知でしょうか。
今回は、貿易業務の基礎知識を紹介します。

目次


・貿易の種類
・輸出とは
・輸入とは
・貿易事務のお仕事概要
・貿易業務の基礎を理解

貿易の種類

貿易とは、外国の企業などと商品やサービスなどを売買することで利益を生み出す取引です。
大きくわけて、直接貿易と間接貿易の2種類に分類されます。

直接貿易


直接貿易とは、輸出者と輸入者が直接取引をする貿易です。
商社などを挟まない分利益率は高くなりますが、取引に関する全ての業務を自社で完結させる必要があります。

間接貿易


間接貿易とは、貿易会社や商社といった仲介業者を間に入れて取引する貿易です。
この手法の貿易では商社などへの手数料は発生しますが、貿易のプロによるサポートが得られるため、スムーズに取引ができ、トラブル対応まで依頼できることが特徴です。

貿易会社や商社は以下のような業務を行います。

・輸出における海外市場、販路の開拓
・輸入における海外供給地の開発
・貿易リスクの負担
・貿易における実務の実施

輸出とは

輸出とは、一言で言えば商品を外国に売って外貨を得ることです。
一般的には、お茶などの農作物や魚介類をはじめ、電子部品、ピアノ、バイクといった商品が輸出の対象になっています。我が国においては、資源を国外から輸入し、それを加工した商品を海外へと輸出する加工貿易がメインです。
特に、自動車や輸送機器の貿易量が多くなっています。

輸出の流れ


輸出を行う際には、多くのプロセスが必要です。

まず、輸出入の当事者どうしで契約を締結します。
次に、輸出者は海運、通関業者に対して貨物通関と船積依頼をするための船積依頼書を発行して輸出貨物を保税地域に運ぶことが必要です。
海運・通関業者は、輸出貨物を保税地域に運んだ後、船積依頼書に基づいて税関へ輸出申告を行います。
税関の輸出許可が下りれば、船会社による船積を行うことが可能です。

その後、船会社は船荷証券を発行して、海運、通関業者に渡します。
海運・通関業者は輸出許可書および船荷証券を含んだ船積書類を輸出者に送ります。
最後に、為替手形に船積書類を添えた荷為替手形を輸出者が銀行に提示して決済されれば輸出は終了です。

輸入とは

輸入とは、一言で言えば外国の商品を日本に引き取ることです。
ただし、会社間の取引のみを指すだけでなく、一般の人が海外旅行に出かけ現地で購入したお土産を日本に持ち込むことも輸入に該当します。

輸入の流れ


まず、輸入をしたい商品を持つ相手と売買契約を締結します。
このとき、「信用状取引(L/C取引)」と呼ばれる銀行が間に入って取引にするケースも多いです。
その後、為替変動リスクに備え為替予約を実施し、さらに信用状取引の場合は相互間で信用状の開設依頼を行います。

輸出側は輸入貨物の準備に入り、輸入側は保険会社に貨物海上保険の申し込みをするほか、輸入の許可や届出の手続きをすることも必要です。
そして、輸出側の船積手配完了後、輸入側は銀行に商品代金の支払い船積書類の入手を行います。
その後、インボイスやパッキングリスト、B/Lといった書類内容を確認後、通関手続きを行うフォワーダーに通関業務を依頼します。
船会社から貨物到着案内が届いたら、フォワーダーに連絡して輸入通関と貨物の引き取り準備を依頼すれば輸入は完了です。

貿易事務のお仕事概要

最後に、貿易事務には具体的にどんな仕事があるのか、業種ごとに紹介します。

船社


船社での貿易事務の仕事としては、輸出CS(カスタマーサービス)業務や輸入CS業務などがあります。

海貨業者・航空利用運送業者


海貨業者や航空利用運送業者での貿易事務の仕事としては、物流企業における通関士資格所持が必要な貿易関連業務があります。
また、CSや通関補助、ドキュメント作成などが挙げられます。

商社・メーカー


商社やメーカーでの貿易事務の仕事としては、商品の輸出手配業務がメインとなっており、大手自動車メーカーや建築メーカーなどとの取引があります。

貿易業務の基礎を理解

今回は、静岡で貿易事務の仕事に就きたい方に向けて貿易業務の基礎知識を紹介しました。
一言で「貿易」と言っても種類、用語も様々あります。貿易関係のお仕事に就きたい方は、基礎知識について正しい理解を持ちましょう。